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スーパーファミコンが登場したぞ! - 札場哲の絵描き回顧録 第6回 –

『ドラゴンクエストⅣ』開発後、しばらく休暇を取ってリフレッシュ。
この頃、ゲームのプラットフォームもファミコンからスーパーファミコンの時代へと変わっていった。

ファミコンも名作ゲームが多く発売されましたが、スーパーファミコンは名作ゲームの宝庫といっていいのではないだろうか。
とにかく『これがゲーム』という、質の良い、面白いゲームが続々と登場した時代だったね!!

そしてスーパーファミコンで『ドラゴンクエストⅤ』の開発が始まったんだ。
数々のゲーム開発に携わってきた中で、この『ドラゴンクエストⅤ』が僕にとって最も心に残る作品で、一番大切なゲームだった。
とても充実した毎日で、ワクワクしながら開発作業をしていたことを思い出すよ。

また、タイムリーな事に、この記事を書くタイミングと、『ドラゴンクエストⅤ』をベースとする映画『ドラゴンクエスト・ユア・ストーリー』のリリースが重なったね!
素晴らしいストーリーだと思うので、『ドラゴンクエストⅤ』を知らない人も、このお話を体験してもらえたらいいなと期待しているんだ。
もちろん僕も、ぜひこの映画を観たいと思ってるよ。

RPG=ロールプレイングゲームは、プレイする人がキャラクターに感情移入して演じることだと僕は考えている。
だからこそストーリーが一番大切で重要!
たとえば、アクションやシューティングにもストーリー性を持たせれば、それはもうそれはロールプレイングゲームなのではないか。
もしかしたら、コツコツ繰り返す戦闘もいらないかもね!!

レベルアップだって、他の方法があると思うし。
なので、同じ戦闘ばかりを繰り返す今のソシャゲって、ちょっと僕には理解できないのです…。

創造の幅を広げた「スーパーファミコン」の超スペック

同時期のライバル機種であるメガドライブにはCPU性能の面で劣るけど、ハードウェアサポートの回転・拡大・縮小機能やソニー製DSPのPCM音源再生機能など、スーパーファミコンは映像音声ともに当時の最先端を誇る表現能力を持っていた。
本体と同時発売された『F-ZERO』を当時プレイした時、その猛烈なスピード感は驚きだったよね!

グラフィックもファミコンと比べて使える色数も増えた。
ファミコンではスプライトに使える色数は4色で内1色は透明色、つまり3色で勇者を描いていたんだ。
スーパーファミコンではスプライトに使える色数は8色で内1色は透明色、ということは7色も使えるようになった。

でもね、色数が使えスプライトのサイズも大きくなった分、色の選定と整理したドットの打ち方がさらに重要になった。
どういうふうに整理してドットを打っていくのかは、文章で説明するのが難しいので割愛。

また、ウィンドウ内に表示される文字サイズも大きくなったので、小学3年生ぐらいまでの漢字フォントも描いた。
もちろん英字、ひらがな、カタカナも一から描くことになったんだ。

特に難しかったのはフィールドを表示させたまま戦闘ウィンドウが表示され、その中に戦闘背景とモンスターが表示される仕様。
色の選定が大変だったなぁ~。
あと季節が移り変わっていくイベントシーンの表現も色々試したよ。

ドラゴンクエストじゃないけど、回転・拡大・縮小機能を使った『マリオカート』のゲーム性には驚かされた。
今思うと、当時ではスーパーファミコンって凄いスペックだったんだね。

『ドラゴンクエストⅤ』が発売され、当時プレイした人それぞれに色んな思い出があるんじゃないかな。
僕にとっても、この作品に携わったということがとても幸せだった。

サウンドノベルというジャンルを確立した『弟切草』

『ドラゴンクエストⅤ』の次に着手したのが、チュンソフトのオリジナル作品。
今までになかったゲーム『弟切草』を、新ジャンル・サウンドノベルとして開発した。

この作品も、プレイする人が小説の内容を選択しながら効果音と共に想像を広げ、感情移入していけるようなゲームを目指したんだ。
ゲーム中の大切な曲や効果音は、進化したスーパーファミコンならではだったんじゃないかな。

小説の内容から洋館を描く必要があったので、実際に洋館を見に行ってはスケッチしたことを思い出すなぁ。
音の関係でグラフィックの容量も限られていたけれど、黒のスペースをわざとつくることで、怖さの想像が膨らむよう研究した。
あと、小説の分岐がとてもとても大変だった。

もちろん、ロゴやパッケージや取説なんかも全部制作した。
ただ、開発中も本当にこのジャンルがプレイヤーに受け入れられるかが心配だった。

でもチュンソフトの企画力と開発力を信じて、みんな頑張って開発を進め、ようやく『弟切草』が完成!
サウンドノベル『弟切草』は徐々に人気が出て、結果として新しいジャンルとして確立していったんだ。

えっ!スーパーファミコンで!

X68000版のスターウォーズで、ワイヤーフレームによる新たなゲームの可能性を感じていた頃、任天堂からスーパーファミコンで『スターフォックス』が発売された。
それは僕にとって、とても強烈な出来事だったんだ。
これから表現の方法が3Dへと変化していく、そんなゲームの未来が見えてきた瞬間だった。
ゲームとしての完成度も高く、何度も繰り返しプレイしていたことを思い出すなぁ。

3Dでゲームの世界がよりリアルになっていくと感じた一方で、ゲームで大切な部分は2Dあれ、3Dあれ、同じであることが重要だと僕は感じていた。

そんな中、チュンソフトのスタッフたちも理想を描き、それぞれの道を歩み始めていったんだ。

★次回、新たな会社で、新たな挑戦! bye bye!