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ついに『ドラゴンクエストⅣ』の開発がスタート!! - 札場哲の絵描き回顧録 第5回 –

『ドラゴンクエストⅢ』の開発が終わりリフレッシュした後、次回作『ドラゴンクエストⅣ』の開発が始まりました。
『ドラゴンクエストⅢ』の人気が凄かったので、いろいろな人から「次回作へのプレッシャーがかなりあるんじゃない?」と聞かれたけど、開発スタッフにプレッシャーがある印象はまったく受けませんでした。
それどころか、新たなシステムや見せ方など色々と話し合っていました。
「新たな進化を見せてやるぞ」という、ゲーム作りに対しての自信があったんだね!
この開発から背景ドットグラフィック、ピョコピョコ動くオブジェクトドットグラフィックを僕が担当することになります。
そうそう、ドット文字やUI関係も含みます。
まずは、会議の中からイメージを作り上げ、次にプレイヤーにとって疲れない色合いを決め、それからコツコツとドット制作を進めていきました。

「いいゲーム」の定義とは

開発中、さまざまな方々とお会いし、話す機会が多くありました。
今ではとても有名な方々で、みなさんゲーム作りに対して真剣に取り組み、ゲームの未来を見据えていました。
そんな中、ゲームづくりで一番大切なコア部分が見えてきたんだ。

僕がゲームづくりのコアだと思うところは、プレイする人のことを一番に考えるということ。
プレイヤーが疲れたり、イライラしたりすることがない状態にして、ゲームを純粋に楽しんでもらうようにすることが基本だと思います。
これができていないゲームは、すぐに飽きられてしまうのではないでしょうか。

たとえば、RPGの戦闘で過度な演出を入れる。
最初は「わー、カッコいい」とか「スゲー」と思うけれど、この戦闘を何度も繰り返しレベルを上げていくたびに、それが段々とストレスに変化していきます。
しまいには、「早く終われよ~」と感じるようになっていくわけです。
やはり戦闘はリズム良く終わらせ、演出部分はプレーヤーの創造力をかきたてるようにすることが必要です。

これは、現在のソーシャルゲームにも同じことがいえます。
過度な演出を何度も見せられて、知らずにタップを繰り返していませんか?
都度通信する待ち時間で、ボタンを何度もタップしていませんか?
その動作=プレイヤーにとってのストレス状態なんだよね。

ゲームという制限の中で面白く、美しく

次に大事なのは、ゲームシステムで使うデータ
大きなサイズの高い解像度で描いた絵も大切だけど、ゲームで使用する絵はまた別もの。
ゲームで使うのは、縮小された解像度72の状態だよね。
その状態でどう見えるかが一番重要なんだ。
縮小して潰れてしまったり分かり辛いと感じた場合、一から書き直した方がいいと思います。
ゲームで使われる絵をプレイヤーは見て、そこでいい悪いを判断することになるのだから!

また、描いた絵をグレースケールにしてみて確認したことってありますか?
同じ光度の色はグレースケールでは同じグレーで表現してしまいます。
これって視認性に関係してくるとても大切な確認なんです。
だからイメージを固めた次は、配色を決めるということが大切な流れなんだよね。
それに、昔のゲームならではのデータ容量制限。
もちろん今でも制限の中でつくるわけだけど、昔のゲームは本当にシビアだった。

たとえば、ドラゴンクエストのサブゲームのカジノ。
本編とはそこまで関係ないけれど、このサブゲームもドラゴンクエストにとってはとても大切な部分。
みなさんも、このカジノにハマって何日もやったことがあるんじゃない?

スロット本体のデザインやカード柄もそうだけど、なんといってもゲーム性を重視していた。
何度も何度も繰り返し調整して、面白さを追求していったんだ。
でも、面白さや美しさを追及すると、今度は容量をオーバーしてしまう。
限られた中で、最も面白く、最も美しいものをつくるのが僕らの腕の見せ所だった。
スタッフ全員でゲーム容量が許す限り、限界まで面白さを追求したことを思い出しました。
この時のゲーム開発は、今のゲームづくりには無い充実感があったなぁ~。

『ドラゴンクエストⅣ』完成!続いてテトリスだ!

『ドラゴンクエストⅣ』も長い道のりを経て、ゲームがようやく完成しました。天空シリーズの『ドラゴンクエストⅣ』も、ニュースで取り上げられるぐらいの社会現象が起きました。
発売日の混乱を避けるためドラゴンクエストシリーズとして初めて日曜日に発売されたんだよ!

AI戦闘システムとか、小さなメダルとか色んな要素があったよね、みなさん覚えているかな?
『ドラゴンクエストⅣ』を知らないゲーム好きなあなたも、ぜひプレイしてみてください!
きっとゲームの面白さに気づくはずです。

この開発が終わってすぐに『テトリス2+ボンブリス』(発売元BPS)の仕事があって、そのまま継続してこのゲームのグラフィックにかかりました。
RPGとは違う、かの有名なテトリスなので、とても新鮮な感じで作業に入れました。

『テトリス2+ボンブリス』はテトリスに新しいゲーム性を加えたゲームでした。
これもスタッフ全員で色々アイデアを出し合ったことを思い出します。
「どんなものでも全力で、そして限界よりもよいものを」チュンソフトプライドがそこにあったんだね!操作性も優れ、とても良いゲームが完成しました。

完成後は、みんな少しの休養期間取って、カジノの研究も含めラスベガスへスタッフと関係者と行ったんだよ。
そして、この経験も活かされる次なるゲーム(作品)への準備が始まるのでした…。

★次回スーパーファミコン登場!『ドラゴンクエストⅤ』をお楽しみに! bye bye!