指示書づくりについて考えてみる

新作のゲームを早く進めたくて、そわそわしながら生活しているももいです。
わたしは普段の事務作業のほかに、指示書を作ったりもしているのですが、指示書って、イラストレーターさんにイラストを描いてもらううえですごく大切なものなんですよね。
最初は何も知らずにはじめた指示書づくりですが、さまざまな指示書を作っていくうちに、だんだん自分のやり方ができてきました。
イメージ通りのキャラクターを描いてもらうためには、指示書でいかにうまく伝えられるかが重要だったりするんです。
今回は、日頃たくさんの指示書を制作しているなかで、作り方や大事なポイントを自分なりに考えてみたので、ご紹介したいと思います。
基本は“矛盾のない”指示内容
まずは描いてもらいたいキャラクター像を簡単に挙げていきます。
例えば、「騎士」を描いてもらおうと思ったら…
- クールで少しナルシストな性格
- 身長180cmで細身
- 金髪のロングヘア
- 王子風の騎士服
- 武器は細身の剣
- 剣を構えたポージング
上記のように、キャラクターの全体像を決めます。
このとき、注意したいのが「指示書内での矛盾」です。
例えば、冷徹なキャラなのに武器やポージングが可愛らしすぎたり、大きい武器なのに小さい武器じゃないとできないようなポージングを指定してしまったり。
このような矛盾が起きてしまうと、イラスト制作時に混乱してしまうので、「あえてのギャップ」などでない限りは避けるようにするといいと思います。
読み手のことを考えて具体的かつ簡潔に
ある程度キャラクター像がまとまったら、キャラ設定に合うように服装・武器・ポージングなどの詳細を文章でまとめます。
先ほど考えた全体像をもう少し詳しくして、文体も整えてみましょう。

このようにだいたいのカテゴリごとにまとめてみると、分かりやすくなります。
服装の指示は特に長くなってしまいがちですが、一文を短くするようにしたり、回りくどい表現は避けるように心がけています。
文章での指示は具体的かつ簡潔にしておくと、読み手もわかりやすいんじゃないでしょうか。
参考画像はイメージを確実に伝えるツール
ここまで来たら、あとはインターネットの画像検索などでイメージに合う画像を探して、下図(一例)のように文章とあわせてまとめます。
参考画像は、画質が悪いものや細かすぎるものなどは避けて、形状やイメージがはっきり写っているものを選びましょう。

参考画像は、装飾や形状の方向性などを視覚的に伝えるためには必要不可欠なものです。
しかし画像だけに頼らず、キャラクターの姿がある程度思い浮かぶような説明をわかりやすく文章で伝えることが重要です。

上記を例にすると、左図ではどのようなイメージの武器を望んでいるかがわかりづらくなることがあります。
参考画像の武器に似すぎてしまったり、思い通りの形状にならなかったりするんですよね。
右図のように、武器の形状や装飾モチーフの説明を加えることによって、イメージが伝わりやすくなり、参考画像との類似も避けられます。
参考画像はあくまであいまいさを回避したり、イメージをより確実に伝えるための手段として使用するのがいいと思います。
指示書は絵を描くための道しるべ
今回は指示書の作り方についてまとめてみました。
指示書がわかりづらければ、それだけ質問を重ねなくてはならなかったり、本来のイメージとは違ったできあがりになってしまったりと、イラスト制作のスピードに影響します。
作業時に迷いが生まれないよう、的確に指示することが大切です。
ここでは、わたしのやり方をご紹介してみましたが、イラストレーターさんが迷わないようなものであればどんな形でもいいはずです。
制作において、指示書は道しるべのようなものなのです。
みなさんも、効率よく作業を進められるように、自分なりの伝わりやすい指示書づくりを目指してみてください。